宿借帳

もう家なんか買わない

墓地が隣なら買いだと思った瞬間

10年くらい前の話ですが、新宿区にある築30年程度の団地タイプのマンション(2戸1階段)の現地調査をしました。駅から徒歩10分程度で緑も都心にしては多く居住環境もよいのですが、マンションの隣接地がお寺の墓地になっていました。しかも、ベランダのある南側開口部だったのでマンションの居室からは目につく位置です。気にしない人もいると思いますが、墓地は不動産の評価上嫌悪施設として扱われるので、環境条件としてはマイナス要因になります。私も教科書的にはそのように判断して評価をしました。あくまでも不動産の評価は合理的な市場人になり替わって判断する作業なので居住環境はマイナスになります。しかし、個人的にはこのマンションをとても気に入りました。なぜなら、都心にあるマンションは窓などの開口部からの景観や眺望が劣るケースが多いのです。現在は開口部からの景観が開けていたとしても、将来永久にその景観が保障されているわけではありません。しかし隣が墓地であったこのマンションは視界を遮る障害物はなく眺望が開けているだけでなく、墓地が潰れることも可能性として著しく低いので、半永久的に開口部からの眺望が確保されているといえます。さらに、墓地の先が低層住居専用地域といって高い建物が建てられない地域になっていたのでその先の眺望も確保されていました。お盆の時期などは週末の交通量など若干増える程度で、線香の匂いも気にならない所在階だったので、この物件は買いだなと感じました。墓地が隣ということで杓子定規に評価は低くされてしまうのでお買い得物件だと感じました。墓地だけに限らず、不動産の減価要因は、大多数の人の意見が反映されて形成されているので、自分が不動産の価格形成要因についてはマイノリティなのであれば、一般的な人が購入をためらう物件をあえて探してみることをお勧めします。墓地以外にも、鉄道、ガソリンスタンド、ガス貯蔵施設、高圧電線、暴力団事務所、刑務所などの施設が近隣にあると減価されている可能性が高いです。刑務所が近いのもいいかもしれません。脱走とか今日日考えられないので。

今までで一番後悔したお金の使い方

お金をどのように使おうが個人の自由です。


ですが、ちょっと気になるのがお葬式にかかる費用です。ある調査によると全国の葬儀にかかる平均費用は約120万円だそうです。かなり高額な印象がありますが、あくまでもこれは葬儀代だけです。他にも、人がなくなると、仏壇、墓、税金等々の出費が伴います。

 

私は不思議でしょうがないんです。なんで死んだ人にこんな贅沢しなくちゃいけないのかと。両親が早逝だったので、16歳と27歳の時に2回喪主を経験しています。16歳の時は名前だけ喪主で、実質的には叔父がすべて段取りをしてくれたので、実際にどの程度の出費があったのかは不明ですが、親族だけの密葬だったのでたいした出費ではなかったと思います。27歳の時は喪主として主体的に関わりましたが、周りの言いなりになって、葬儀場やらお布施やら仏壇やら骨壺やらを決めていました。実際、標準が何なのか分からない世界なので、大人の意見を基準に進めるしかなかったのです。


とりあえず人が亡くなるとやたらと出費するんですね。葬儀一式で数百万、仏壇で数十万、絵柄の入った骨壺が数万、墓地の永大供養料が数十万、墓石が数十万、お布施が数十万、戒名が数十万、借金の整理に数百万とポンポンと右から左に出ていきます。私はお金に関しては堅実な方なので、それまで借金などしたこともなかったのですが、さすがにこの時は頼りました。労働組合員だったので労金から低利で100万円程借りました。この時だけは保険は必要だと思いました。今は違いますけど。


そんなこともあってか、葬儀に対しては否定的な感情しかないのかもしれません。一つ一つの事柄を検証してみました。

・お経の意味
お釈迦様の教えだそうです。死んで仏門に入るという遺言もないので不要でした。

・戒名の意味
死んで仏門に入る遺言もないので法号は不要でした。

・位牌の意味
法号も不要ですし、魂が帰る場所といわれてもそんなフィクション信じないの不要でした。

・仏壇の意味
無宗教でしたし、ご本尊を祭る必要もないのでこれも不要でした。祈りたいときは近所の神社で十分。

・葬式の意味
仏教徒ではないので、成仏させる儀式も不要でした。

 

そもそも死んだら皆仏教徒になるなんて、故人も想像してなかったと思います。日本人は半数が無宗教者なので、そもそも葬儀なんて必要ない人がほとんどのはずです。ここいらへんを整理しないで、皆が一様に葬儀を行う理由の本質は”畏れ”にあるんじゃないかと思います。ちゃんとやらないと先祖に祟られるぞと暗黙の裡に刷り込まれているんじゃないかと。今思えばこれすべてフィクションなので、無駄なことしたなと後悔しています。これから喪主になられる方はよく考えた方がいいと思います。

それでも家が欲しいというならこんな物件がいいのでは

将来予測というものには限界がありますが、こと日本の不動産、特に住宅価格については将来的にいい材料が少ないと思います。2020年まではオリンピック特需があるということで「いまはまだ大丈夫」という雰囲気が支配しているような感じがしますが、現在の不動産価格にはこれらの要因が既に織り込まれているので、価格を維持するにはその先の要因が必要になります。ただ材料としては負の要因の方が強いと思います。以下整理してみました。

 

【今後地価が下がる要因】
・空き家の状況
以前のブログでも触れていますが、現在の空き家率は13.5%と過去最高を更新中で、今後何らかの対策が講じられない場合、平成45年には空き家率が30.2%、なんと3件に1件程度の割合にまで上昇するというシンクタンクの予想数値もあります。都心部と地方部でこの割合は異なるが、家あまりの時代になったといえるのではないでしょうか。

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・人口と世帯数の推移
空き家率と反比例するように人口は減少の一途です。国立社会保障・人口問題研究所の公表資料によると、2015年の人口は1億2709万人ですが、2053年には 1 億人を割って9924万人になると予測されています。空き家率に直接影響を与える世帯数の推移はどうでしょうか。2010年時点の世帯数は5184万世帯で2019年に5307万世帯とピークを迎え、その後減少に転じ2035年には4956万世帯にまで減少すると予測しています。また、平均世帯人員も2010年の2.42人から2035年には2.2人まで減少すると予測しているので、従来のファミリー向けの住宅に対する需要は更に減少するといえます。

 

生産緑地の解除
とどめとして最近話題になっているのが2022年問題です。都心部の田畑に「生産緑地地区」という看板が掲げられているのを見たことがあると思います。この地区に指定されると固定資産税は農地扱いとなり、相続税については納税猶予を受けることができます。本来であれば都心部(市街化区域)の農地は宅地に転用すべきですが、30年間営農するという条件で宅地並み課税を猶予するという制度です。1万ha以上の土地が生産緑地に指定されています。1992年に生産緑地法が施行されてから期限が切れるのが2022年です。この年以降市場に大量の土地が供給される可能性があるこが懸念されています。

 

これらの要因はオリンピックという好材料が霞んでしまうくらいのインパクトがあります。

 

不動産の価値が下がろうが何だろうが、マイホームが欲しいという意見は多いと思います。私の個人的な意見としては「家なんか買わない方がいい」です。利便性の高い公団に申し込んで、地方の空き家を別荘としてただ同然で購入した方が豊かな生活だと思います。個人的な意見ですが、あえて購入するなら下記の条件にあてはまるものを選択します。


・駅近の中古マンション
マンションの価格は戸建と異なり、新築プレミアムが剥がれてある程度まで下落すると、価格が安定するという傾向があります。市況がよくなれば値上がりすることも普通にあります。また、中古であれば、維持管理の状況や管理組合が機能しているかなども購入前に調査できます。駅近で管理のよい中古マンションであれば賃貸することも十分可能です。


・築古の戸建住宅
一般的な木造の戸建住宅であれば築20年程で資産価値が0円になります。築20年たっても物理的には問題ないですし、リフォームすることで機能の回復も十分可能です。考え方としては0円でスケルトン部分を購入し、リフォームすることで新築物件なみにインフィルを回復すれば、新築物件を購入するよりも費用対効果は高くなるのでお得です。

 

・不整形の土地
どうせ地価が下がるのであれば、なるべく安く購入するという発想も重要です。同じ街区にある土地でも、整形な土地と不整形な土地では地価が異なります。整形な土地が3000万円で不整形な土地が2000万円だとした場合、価値が50%下落した場合の損失は整形地の方が500万円も大きくなります。ランニングコストの面ではどうでしょうか。固定資産税と都市計画税は固定資産税評価額に一定の税率を乗じて計算されます。この固定資産税評価額も不整形地の方が低くおさえらえます。相続税も同様です。不整形地の方が低く評価されるのです。整形地だったために、基礎控除額を超えてしまい、申告が必要になるといったケースも想定されます。

 

仕入価格での購入
これは難易度が高いですが、競売物件を購入するというのも検討の余地があります。
プロの市場ですが、市場価格の3割減で購入できるかもしれません。

tamakan.hatenablog.com

工業高校卒(1年留年)の私が丸の内で働ける理由

私は工業高校を卒業しています。高校2年の時バイクで交通事故を起こしてしまい、出席日数が足らなくなり1年留年しました。偏差値の低い高校だったので、私のように留年する者も多いのですが、ほとんどが卒業できません。私は奇跡的に卒業することができました。理由は、母親から頑張って卒業したら、交通事故の慰謝料をすべてお前に渡すという交換条件を提示され、私はまんまと騙されて卒業しました。もちろん卒業後に慰謝料は手にできませんでした。

 

高校を卒業したのが平成3年で、バブルの後半でした。アホな高校でしたがそれなりに伝統もあり、1人あたり5社程度の求人があったと思います。私は運よく市役所の技術職に潜り込むことができました。配属先は地方公務員の末端のようなポジションでした。仕事は基本的に暇でしたが、趣味などにうつつをぬかすタイプでもなかったので、いろんな資格にチャレンジしていました。仕事上必要な資格から趣味系の資格まで10種類程度は取得しました。その中でも特に難関だったのが不動産鑑定士2次試験です。

 

当時(15年前位)の鑑定士試験は2次試験合格後2年間の実務経験を得て鑑定士補登録、1年間の実務修習を得て3次試験に合格し晴れて免許皆伝という結構険しい道のりでした。独立しない限りは鑑定士補でも鑑定評価書が書けたので、万年鑑定士補みたいな人が結構いました。せっかく合格できたので実務経験を積むために市役所を退職しました。まずは鑑定事務所を皮切りに、カタカナ系不動産会社、不動産のデータバンク、航空測量会社と渡り歩きました。

 

どの職場でも私のような学歴のものはいませんでしたし、最近は院卒も多いので、高卒と修士が同じ仕事をするというなんか申し訳ないような状況も経験しました。不動産という業務からか、学歴について特に不利だと感じたことはありませんし、院卒の人が特別優秀だとも感じませんでした。どちらかというと、日東駒専レベルの人達が活躍していたし、話も上手でした。

 

今は丸の内で企画系の部署に配属されています。システムの企画、開発、販売という一連の流れを経験できるポジションにいます。私は職人気質なので、同じような業務をコツコツやるのが得意です。コテコテの鑑定業務中心の方が向いていると思います。ただ、時の流れにあわせるというか、展開に素直にのっていたら今の部署に配属されたといった感じです。

 

今までの話とリンクしませんが、社会で活躍したいなら資格よりも学歴の方が重要だと思います。そもそも資格なんかに頼らなくても活躍している人の方が圧倒的に多いですし、資格に頼る時点で力がないといえるのかもしれません。また、資格を取得した側の心理として、資格に関連する業務から離れられなくなるという点もあります。柔軟な思考やアイデアで、新しいことにチャレンジするというマインドも低くなるような気がします。

 

ただ、高卒の私が丸の内で働けたのは、資格のおかげです。高いポジションではありませんが。学校が苦手とか、家の事情で高校や大学に進学できない人達にこそ私は資格をお勧めしたいです。学歴がないと本来立てなかったフィールドに立つことも可能だからです。入ってしまえば、あとは実力主義の世界ですから、逆に資格にとらわれずに自由に活躍すればいいのだと思います。

価格と賃料が比例しないのは何故か

買うか借りるかといったよくあるテーマの話をします。同じ住宅街の一画に建つ中古住宅があったとします。建築年月日、地積、床面積などのスペックがほぼ同じだとしましょう。この2件の住宅が同時に売りにだされました。中古住宅Aは2980万円、中古住宅Bは1480万円でした。では同じ中古住宅AとBを同時に賃貸に出した場合はどうでしょうか。中古住宅Aは10万円/月、中古住宅Bは9万円/月でした。売りに出すと価格差は50%も違うのに、貸し出した場合は10%しか違いがありません。このような現象は不動産市場ではよくみられます。では不動産の中身についてもう少し詳しくみていきましょう。中古住宅Aは、土地は整形地で30坪、建物は木造で床面積は24坪、駐車場スペースは1台でした。よくある一般的な戸建て住宅です。中古住宅Bはどうでしょうか。土地は旗竿状の不整形地で間口が1.8mしかありません。2m以上道路に接道していないので、再建築不可つまり建て替えることができません。但しリフォームは可能です。建物は木造で床面積は24坪で中古住宅Aと同じですが違反建築物になります。駐車場のスペースはありませんが、この住宅街は駅から徒歩5分程度と近く、利便性が高いため車がなくても不便ではないようです。不動産を購入する際、購入者は現金を準備できない限り銀行の住宅ローンを利用する必要があります。中古住宅Aは特に問題のない住宅なので銀行の審査を通過できます。中古住宅Bは再建築ができない土地に建つ違反建築物なので銀行の審査を通過できません。Aを購入する場合はローンが利用できますが、Bを購入する場合は現金を準備する必要があります。この段階で中古住宅Bの需要者は大きく減少します。また、現金を準備できる富裕層が、あえてこの手の不動産を購入するでしょうか。これが売り出し価格に大きな格差が生じている原因です。では、賃貸の場合はなぜ大きな差が生じないのでしょうか。借りる側は住宅ローンを利用しません。毎月の賃料さえ払えれば問題ありません。借りる側としては条件を満たしており、賃料に見合った効用があればよいのです。例えば条件が、駅から徒歩5分以内、間取りが3LDK又は4DK、駐車場は1台希望だが近くに月極駐車場があれば問題ない、賃料は月額10万円以内といった条件さえクリアできていればよいのです。その建物が違反だろうが再建築不可だろうが効用を満たしていればよいのです。中古住宅AとBは違反か合法かという点、駐車場の有無という点で異なりましたが、近くに月1万円以内で駐車場を確保できればどちらも月10万円以内で条件をクリアしています。多少はBの方を安くした方が均衡がとれるような気がしますが、売る場合に比べれば些少で問題ないと思います。賃料が同じで購入価格が大きく違うのであれば、不動産投資であれば中古住宅Bの方が断然お得な感じです。粗利回りベースでみると、中古住宅Aが120万÷2980万円≒4%、Bが108万÷1480万≒7%となります。かつBのような物件は買い手がなかなかつかないので値下げ交渉の余地があります。「1000万円なら買うよ」といえば成立する可能性もあります。購入価格が1000万円なら粗利10%超です。ただこの利回りだけをみてだからBの方が投資物件としてはいいという単純な話にはなりません。利回りが高いということは不動産リスクが高いということとイコールだからです。投資する以上は将来の売却や建物の維持管理なども視野に入れる必要があります。購入時から所有時そして売却時までのトータルで判断する必要があるからです。購入時だけの視点で利回りがよいから、安いからといった理由だけで判断するのは危険です。

民間資格はプラットフォーマーと認識して相談しよう

不動産系の資格は他業種に比べて相当多いと思います。国家資格から民間資格まで、数百はあるんじゃないかな。国家資格は不動産という国民の貴重な財産を扱う資格だけに難易度が高いものが多いです。代表的なところでは宅地建物取引士、建築士マンション管理士土地家屋調査士不動産鑑定士といったところ。宅地建物取引士でも合格率は15%程度なので、10人受験して1~2人程度しか合格できない難関試験です。建築士土地家屋調査士不動産鑑定士となると業務独占資格なので、この資格がないと業務ができないため独立開業も可能な資格であると同時に責任も重くなっています。最近だと森友学園の不動産鑑定評価などニュースになるケースも多く、業務内容が不適切だと裁判沙汰になってしまいます。民間資格はどうでしょうか。不動産関連も含めると相当な数があります。不動産カウンセラー、住宅ローンアドバイザー、競売不動産取扱主任者、敷金鑑定士等々業界の関係者以外は聞いたことがないような資格がたくさんあります。国家資格となると難易度が高いですが民間資格は試験も形式的なものでしかないので取得が容易なものが多いようです。不動産という高額な商品を扱う以上何らかの肩書が必要だからというのは綺麗な理由で、資格ビジネスが商売として旨味があるから活況を呈しているというところが正解なんだと思います。日本人の資格好きという国民性と合致しているのでしょう。受験料で数万円、毎年の更新料で数万円、定期講習会で数万円といった具合にチャリンチャリンとやられてしまうわけですね。正直にいうと、資格については独占業務がないものについては単なる自己満足の類でしかありません。別にその資格がなくても商売ができるからです。規制こそが資格の旨味だからです。合格しないとその市場に参入できないという参入障壁こそが資格を取得する意味なんですね。だからか、資格業の人は営業がうまくない人が多い感じがします。また、業務の効率化に疎い人も多いですね。そんな努力をしなくても商売が成り立つからでしょう。これも問題なような気がしますが。では、皆さんが1消費者として民間資格者とどう向き合えばよいのか。民間資格者は国家資格者よりもビジネスセンスや営業力は高いと思います。資格そのものを営業ツールとして捉えているからです。アンテナを張っている分、ネットワークも強い感じがします。ですので、これら民間資格者を情報が集まるプラットフォームと位置付けて活用するのがいいのかもしれません。民間資格という一つの窓口で、多岐にまたがる不動産の課題を解決する各分野の専門家を紹介してくれるでしょう。もちろん手数料は発生しますが時間を浪費する機会損失は免れるかもしれませんね。

不動産一括査定サイトの査定価格は信用できるのか

自宅を売却しようと考えた際、情報収集の初期行動としてインターネットは当然に活用していると思います。まずは、周辺で同じような住宅がどの程度で売りに出されているかといった相場のリサーチとして。地価公示、地価調査、路線価などの公的指標としての価格を把握するため。そして最近活用されることがおおくなったものとして一括査定サイトがあります。「不動産 一括査定」で検索すると表示されます。こういうサイトがない以前は地元の不動産屋や大手の仲介会社などの店舗に直接行って相談することが普通だったと思います。ただ、一般的に不動産業者に対するイメージはあまりよくありません。どうしても強烈な営業攻勢にあうんじゃないかという警戒感をもってしまいます。ある意味敷居が高いのが不動産屋ではないでしょうか。そこで、ネット上で簡単に物件情報と個人情報を入力するだけで価格査定をしてくれる一括査定サイトの利用が一般的になりつつあります。一括査定サイトとは、簡単にいうと不動産業者と不動産売主とのマッチングサイトのようなものです。一括査定サイトは複数の不動産屋と提携しているため、複数の不動産屋にまとめて査定を依頼することが可能になっています。また、どの不動産屋に査定してもらうかを選択することもできます。私も試してみましたが、やっぱりただでは査定してくれませんでした。不動産屋の顧客リストに掲載されたが最後、電話やメールでの営業攻勢は覚悟する必要があります。それこそ1年越しで問い合わせがあります。査定の精度はどうでしょうか。確かに、地場の不動産屋が地域の価格には最も精通しているかもしれません(正確には不動産屋というよりは営業マン次第)。ただ、正確な査定をしてくれるかは別問題です。不動産屋にしても一括査定サイトは無料でできるツールではありません。1リストにそれなりの対価を支払っている以上は媒介契約をとりにきます。先ほども話しましたが、一括査定は同時に複数の不動産屋に依頼できます。売主としては最も高い査定をしてくれたところに依頼したくなります。これはある意味当り前の話です。そこで査定する側も売れるか売れないかは二の次として、査定を頑張ってしまうかもしれません。私が試した時は、これはないだろうという業者もいましたが、それなりに妥当な査定をするところもありました。全体的にみると総じて高めな査定結果でした。しかし、無理して高い査定をしても売れないものは売れません。逆に高い価格で売りにだして、仲介市場で長期滞在物件になるのはよくありません。見ている側は「何かあるんじゃないか」「もっと下がるんじゃないか」といらぬ詮索をされてしまうからです。今は不動産のポータルサイトも情報が充実してますし、不動産の成約情報も国土交通省の「土地総合情報システム」で過去5年分の情報を閲覧することもできるようになったため、消費者サイドも相場観を持つことが可能になっています。つまりごまかすことが難しくなりつつあります。高値で出して運よく誰かが買ってくれるかもなんてことはありません。あってもそれなりに事情がある場合です。購入者の中には地域やマンションなどピンポイントで探している場合もあるので、そのような場合には相場より高くても購入にいたることがあるからです。しかし、これは例外ですし、ピンポイントで探されるような地域やマンションはそれなりに市場性と希少性があるので、高いかなというくらいの水準が妥当な価格だったりします。一括査定サイトを利用する際は、査定の丸投げだけは避けましょう。自分でも情報収集し、それなりに相場を把握したうえで依頼することが肝要です。その上で、一括査定サイトを通じて良識と実力のある営業マンに出会うことを目的にするべきです。企業規模や広告イメージだけで判断してはいけません。