宿借帳

もう家なんか買わない

家の「お試し」が浸透しない理由


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高額な商品になるほど購入に慎重になるのは当たり前の話で、最終判断にはいくつものフィルターが必要になります。価格はもちろん、営業マンの態度、信頼できるブランド、奥さんを説得できるか等々。その中でも重要なのが「お試し」ではないでしょうか。ゴルフクラブであれば試し打ち、自動車であれば試運転、腕時計などの装飾品であれば試着してから決めると思います。余程の富裕層であれば話は違うかもしれませんが。それでも購入後後悔することも多いものです。瞬間的な一目惚れ程、飽きるのも早いものです。

 

さて住宅はどうでしょうか。不動産会社の中には「試し住み」「試住」としてマンションの購入前に一定期間賃貸(定期借家契約)できるサービスを展開しているところもあります。但し、これができるのは中古だけです。なぜなら住宅は人が一日でも居住してしまうと中古物件になってしまいます。新築プレミアムが剥がれ落ちてしまうんですね。中古であれば所詮は中古なので、賃貸で売れるまでの期間少しでもランニングコストを回収できるという意味でも「試し住み」というのは売る側にとってもデメリットにはならないんですね。借りる側も原状回復義務を負うのでそれなりに丁寧に利用します。

 

「試し住み」をするのも相当の覚悟が必要になります。今ある住居からの引っ越し、住民票も移し替える必要があります。子供がいれば学区も変更になるかもしれません。その他、運転免許証、会社への届け出など経験した人はわかると思いますが、試しだからといって安易に利用できるものではないように思います。ただ、本当は購入したいんだけど、住んでみないと周辺環境や近隣住民がどんなものかわからないからと慎重な性格の人にはよいかもしれまん。

 

「お試し」というのは他の商品では当たり前かもしれませんが、不動産の世界ではつい最近までありませんでした。やっていても一部の企業です。私なりに浸透しない理由を考えてみました。
・早く現金化したい、賃料なんてちまちました金額では困る。
・変な人に貸したら大変、定期借家契約でもちゃんと返してくれるの。
・築年数の浅いうちに、市場価値の高いうちに処分したい。

 

家を売るというのはそれなりの事情があります。売らざるを得ない事情があるから売るんです。そういうわけで、家の「試し住み」というのは業者の売り物件でかつ中古の場合なら、双方メリットがありそうです(業者も早期に資金を回収したいのが実情ですが)。消費者の観点からすれば、新築物件ほど本当は「試し住み」の需要があると思うのです。中古以上に失敗したくないはずですから。