宿借帳

もう家なんか買わない

価格と賃料が比例しないのは何故か


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買うか借りるかといったよくあるテーマの話をします。同じ住宅街の一画に建つ中古住宅があったとします。建築年月日、地積、床面積などのスペックがほぼ同じだとしましょう。この2件の住宅が同時に売りにだされました。中古住宅Aは2980万円、中古住宅Bは1480万円でした。では同じ中古住宅AとBを同時に賃貸に出した場合はどうでしょうか。中古住宅Aは10万円/月、中古住宅Bは9万円/月でした。売りに出すと価格差は50%も違うのに、貸し出した場合は10%しか違いがありません。このような現象は不動産市場ではよくみられます。では不動産の中身についてもう少し詳しくみていきましょう。中古住宅Aは、土地は整形地で30坪、建物は木造で床面積は24坪、駐車場スペースは1台でした。よくある一般的な戸建て住宅です。中古住宅Bはどうでしょうか。土地は旗竿状の不整形地で間口が1.8mしかありません。2m以上道路に接道していないので、再建築不可つまり建て替えることができません。但しリフォームは可能です。建物は木造で床面積は24坪で中古住宅Aと同じですが違反建築物になります。駐車場のスペースはありませんが、この住宅街は駅から徒歩5分程度と近く、利便性が高いため車がなくても不便ではないようです。不動産を購入する際、購入者は現金を準備できない限り銀行の住宅ローンを利用する必要があります。中古住宅Aは特に問題のない住宅なので銀行の審査を通過できます。中古住宅Bは再建築ができない土地に建つ違反建築物なので銀行の審査を通過できません。Aを購入する場合はローンが利用できますが、Bを購入する場合は現金を準備する必要があります。この段階で中古住宅Bの需要者は大きく減少します。また、現金を準備できる富裕層が、あえてこの手の不動産を購入するでしょうか。これが売り出し価格に大きな格差が生じている原因です。では、賃貸の場合はなぜ大きな差が生じないのでしょうか。借りる側は住宅ローンを利用しません。毎月の賃料さえ払えれば問題ありません。借りる側としては条件を満たしており、賃料に見合った効用があればよいのです。例えば条件が、駅から徒歩5分以内、間取りが3LDK又は4DK、駐車場は1台希望だが近くに月極駐車場があれば問題ない、賃料は月額10万円以内といった条件さえクリアできていればよいのです。その建物が違反だろうが再建築不可だろうが効用を満たしていればよいのです。中古住宅AとBは違反か合法かという点、駐車場の有無という点で異なりましたが、近くに月1万円以内で駐車場を確保できればどちらも月10万円以内で条件をクリアしています。多少はBの方を安くした方が均衡がとれるような気がしますが、売る場合に比べれば些少で問題ないと思います。賃料が同じで購入価格が大きく違うのであれば、不動産投資であれば中古住宅Bの方が断然お得な感じです。粗利回りベースでみると、中古住宅Aが120万÷2980万円≒4%、Bが108万÷1480万≒7%となります。かつBのような物件は買い手がなかなかつかないので値下げ交渉の余地があります。「1000万円なら買うよ」といえば成立する可能性もあります。購入価格が1000万円なら粗利10%超です。ただこの利回りだけをみてだからBの方が投資物件としてはいいという単純な話にはなりません。利回りが高いということは不動産リスクが高いということとイコールだからです。投資する以上は将来の売却や建物の維持管理なども視野に入れる必要があります。購入時から所有時そして売却時までのトータルで判断する必要があるからです。購入時だけの視点で利回りがよいから、安いからといった理由だけで判断するのは危険です。